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東京地方裁判所 昭和57年(ワ)7368号 判決

以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。

【説明】

「第二 当事者の主張

一 請求の原因

1 事故の発生

昭和五五年一二月二五日午後一時三〇分ころ、東京都練馬区桜台二丁目一九番地先路上において、環七通り方向から正久保橋方向に進行してきた被告運転の軽四輪貨物自動車(練馬四〇あ三七、以下、本件車両という)が道路を横断歩行中の原告に衝突した(以下、本件事故という)。」

【判旨】

四次に、抗弁(過失相殺)について判断する。

1 <証拠>によれば、以下の事実を認めることができる。

本件事故現場付近の道路は、別紙図面のとおり、環七通り方面と正久保橋方面とを結ぶ幅員5.5メートル(本件車両の走行車線の幅員は2.8メートル)、片側一車線のアスファルト舗装道路で、その両側には幅員1.75メートルの歩道がある。被告は、本件事故当時、環七通り方面から正久保橋方面に向かつて、右道路の制限速度である毎時三〇キロメートル程度の速度で本件車両を走行させていたが、別紙図面の東京都練馬区桜台二丁目二〇番地所在の花月庵そば店と同一九番地所在の住宅との間の露地入口に差しかかる付近において、原告が右露地入口角の歩道上(同一九番地住宅側)の電柱の向う側から道路上に出てくるのを約4.9メートル先に発見し、急制動の措置をとつたが間にあわず、原告に同車前部を衝突させ、同人を路上に転倒させた。一方、原告は、正久保橋方面から環七通り方面に向かつて、前記電柱のところまで、本件車両の走行車線側の歩道上を歩行してきたが、対向車線上は車両が渋滞して停止していたので、停止車両の間を通つて反対側歩道へ横断しようとして、本件車両の来る方向(右側)の安全を十分確認しないまま、電柱の横から横断を始めたのであつた。なお、本件車両により現場路上に残されたスリップ痕の長さは、左右前輪とも2.0メートルであり、被告の指示によれば、被告が原告を発見してから停止するまでの本件車両の移動距離は5.3メートルであつた。また、本件事故現場から正久保橋寄り七〇メートルの地点及び環七通り寄り二〇〇メートルの地点に信号機付の横断歩道がある。

2 原告本人の供述中には、原告は、前記電柱の横からではなく、前記露地入口から道路を横断しようとしたものであり、横断開始に際し左右の安全確認をした旨の部分があるが、原告本人の供述内容、態度に照らすと、原告は、事故当時の状況についての記憶が定かでないことが認められるし、また、前掲甲第一七号証の一ないし三、第一八号証及び被告本人尋問の結果と対比して検討すると、原告の右供述部分を採用することはできない。

その他、前記認定を覆すに足りる証拠もない。

3 そうすると、原告が本件車両の直前に飛び出してきたとの被告主張もある程度肯けないでもない。しかし、<証拠>によれば、原告が電柱の横に立つていたとしても、被告が前方を十分注視していれば事前に原告を発見できたことが認められるし、幅員が狭く両側に歩道のある本件のような道路において、対向車線に渋滞車両が停止している場合には、道路を横断する者があることが予想されるから、被告は前方不注視の過失に基づき、応分の負担をすべきである。

4  以上の事故態様、過失の内容等に照らしたうえ、後記認定の損害の公平な分担を考えると、本件における過失相殺割合は四割とするのが相当である。  (芝田俊文)

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